ちょっと前の話になるけど・・・昨年の夏に高校時代の友人から連絡が入り、「結婚4年目に入り、花婚式を祝いたいから花の絵を作ってもらえないかな」との依頼が。「花婚式?」調べてみると、結婚した後も毎年色んな意味の〜婚式というのがあるらしく(メジャーなのは、金婚式とか)、4年目は「花が咲いて実がなるように」という意味で花婚式というんだとか。それで、喜んで引き受けたのはいいものの、やれどもやれども作品が出てこない。「花」って実はとてもスケールの大きなテーマなんだって、取り組んでみて初めて実感した。花は今までごまんというアーティストが描いてきたモチーフ。それを描く時、私らしさはどう出せる?彼女はもともと私の作品の大ファンと自称してくれたから、心を込めたものであればそれなりに喜んでくれるとは思ったし、そんな難題を投げたとも思っていないだろうけど(笑)、どちらかと言えば私がクリアしなきゃいけない課題だった。あれもやってこれもやって、いよいよ納期が近づいて、どうにもならなくて持っている画集を全部ひっくり返し、他のアーティストはどんな花の絵を描いてきたのだろうと手がかりを探す。そして開いたマティスの画集にあった言葉:
「画家にとって、1本のバラを描くことほど難しいことはない。なぜならば、そうするために、今までにあらゆるバラが描かれていることを、まず忘れなければならないからである。」
(『アンリ・マティス 切り絵』 TASCHEN出版 2004)
・・・そっか、あのマティスも同じ難題にぶちあたったんだ!ちょっとだけ安心し、心を落ち着けてもう一度作品に向き合う。花婚式の意味を考えて・・・夫妻に2才の女の子がいることを思って・・・。答えは、花束でも、花瓶に生けた花でもなく、「生命と成長を感じさせる、ガーデン。」それから、ようやく作品の方向性が見えてきた。普段の私のテイストだと、色の数はもう少し抑えるところだし、構図も今までの作品ではないものだけど、これに関しては、これで良し。・・・後日友人から連絡が入って、本気で喜んでくれているのがわかったから、何ヶ月もかけて取り組んだ甲斐あった!と、私も嬉しくなった。「色んな生き物がいるね」ってお子さんと会話しながら眺めてくれたみたいで・・・「子どもも楽しめるように、低い位置に飾るよ」って言ってくれたのも嬉しかった。
これからも鈴木家が、生命力溢れる、豊かなガーデンとして成長していきますように・・・。
ご結婚4年目おめでとう!
A friend of mine text me one day, asking me to make a "picture of flowers" for her 4th marriage anniversary (called Hana-konnshiki: A flowery anniversary, meaning to bloom and be fruitful). I happily started working on it, but the more I tried, the harder it got, making me realize that "flower" is such a big theme to deal with as it's been a favored motif in art all the time. Nothing seemed right and the date approaching, so I opened up all the art books I have to find a clue how the past artists had dealt with it. Then I came across with Matisse's citation:
"For a painter, nothing is harder than painting a rose, as he must forget the fact that it's been painted already in every different way."
(MATISSE paper-cuts, TASCHEN 2004: translation by Hanae)
That kind of relieved me... and I recalled the meaning of 4th anniversary and the fact that they have a little girl… so I decided to make a garden that makes us sense "life and growth," not a bouquet nor a flower in a vase...
I was so happy that they loved it so much. I heard she opened it with her daughter and enjoyed conversation looking at the details…
Anyways, with a wish that the Suzuki family will be ever more lively and fruitful… Happy 4th anniversary!! ;)