35歳になりました

とある作品のための挿絵 ©︎ Hanae Tanazawa 2015
とある作品のための挿絵 ©︎ Hanae Tanazawa 2015

35を迎える週のあたま、とても印象的な夢を見たので忘れないように書き留めておきます。

 

夢の中で、私は15歳の高校生に戻っていて、いつもの帰り道、バス停から10分ほど歩き家に着く手前のグッと勾配のきつくなる上り坂を登っていました。呼吸が少し荒くなる感覚、太ももにかかるかすかな疲労感、制服のスカートがざらっと肌に当たる感触、じんわりと滲む汗、過ぎていく風景。20年前のそのままを、まるで時間が戻ったかのように全身に感じてふと目を覚まし、ああ夢だったのかと不思議な気持ちでまた眠りと現実の狭間をウトウトし、どれくらいかわからない時間を、起床まで過ごしました。

 

ウトウトの中でふと、あの時の若く夢や希望に満ちて、なんでもできると思っていた15歳の私は、今の私の現実を見てがっかりするだろうかと考え、きっとがっかりするだろうな、ごめんね、全然何も叶わなかったね・・・と思いながらまたウトウト・・・。そして、あぁでもあの時喋られなかった英語は一応は喋られるようになったね、行きたかったアフリカにも行けたね、15歳の私、少しは願いが叶ってよかったね、とまた、夢寄りの現実で思い直したりしました。

 

今度は、夢よりは現実寄りのウトウトの中で、大好きな『赤毛のアン』の一節を思い起こしました。アンの大学時代の友人で社交令嬢のフィルが、自分のタイプとは全然違った牧師の卵ジョウナスとの結婚を決めたことをアンに告げる場面ーー。

「ジョウナスがすばらしいルールをつくってくれたのよ。どうすればいいかわからなくなったら、八十になったときにふりかえって、ああすればよかったと思えることをすればいいというの。・・・」(『アンの愛情』L.M.モンゴメリー著 掛川恭子 訳 p.286)

 

良書というのは、読むたびに新しい視点を与えてくれるもので、この一節は数ヶ月前に読み返してわかりやすく心に響いた部分。

そんなわけで想像した80歳の私は、ありがたいことにいつも私に優しく微笑みかけてくれていて、「英恵、そんなに焦らないでいいんだよ。ゆっくり楽しみながら、歩いておいで」と語りかけてくれます。

 

 

15歳の私、80歳の私、35歳になる私。

この3人の私が集合したウトウトから目覚めてからは、なぜだか35歳になるのが待ち遠しくなりました。誕生日当日、10年間長かった髪をバッサリ、耳の下まで切りました。鏡の向こうの私は、ちょうどぴったり、35歳の顔をしていました。気分が上がって、美容院からの帰り道、衝動的に一人ラーメンデビューできました!中学時代から私を知る友人は、「はなえ一皮むけたね」と褒めてくれました。笑

 

なんだかこの年齢をとっても好きになれそうな気がしています。

 

 

 

 

いい歳にするぞ ©︎ Hanae Tanazawa 3.17. 2017
いい歳にするぞ ©︎ Hanae Tanazawa 3.17. 2017

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