
お白湯を飲みながら書いている。
白湯は今でこそペットボトルにもなるほどに人気だが、昔は飲んでいる人なんて誰もいなかった。
私と白湯との初めての出会いは、小学生くらいの時、一度。当時我が家で住み込みで働いていたドイツ人(?)女性が休憩がてら飲んでいて、興味を持った私は一口飲ませてもらった。
「何これ、(まず)。」
とまでは口に出さずとも、心で思った。何を飲んでいるのかよく分からなかった。
今にして思えば富士山の地下水という最上級白湯だったのであるが、まだまだ食い盛りの子供には味のしないお湯をそのまま飲むなんて、意味のない不思議な行為のようにも思えた。
二度目の白湯との遭遇は、ネバダ州で大学生の時。ルームメイト募集のアパートを訪ねたら、迎えてくれたのが同世代くらいの中国人女性で、おもてなしに白湯を出してくれた。
「同じアジア人だからなんか合うんじゃないかしら。」
相手は好意的に感じてくれたようなのだが、私はアパートも白湯も味気なく、その後入居をお断りしてしまった。
(1月16日筆・15分)
zuihitsu・・・前日自分に課したキーワードをお題に、最低400字(原稿用紙1枚)で書く練習をしているものの一部出し