
家は生きている、と言うが、その証がほこりなのかなぁ、と思う。
女一人、猫一匹だけの静かな暮らしなのに、よくもまあこう毎日ほこりが溜まるものだと思う。猫はまぁまぁ一人遊びしていたり、毛もそれなりに落ちるとは言え。静かにじっとしているような日でさえ、ほこりはいつもの場所にしっかり溜まっている。小さなアパートだし、掃除機があまり好きではないので、柔らかいシュロの箒を使って掃いているせいで余計によく分かる。
ほこりは、家の垢なのかな、と思う。
人間がただ生きているだけで垢を出すように、家はほこりを立てる。その新陳代謝を促すように、私たち居住者は日々お役目をいただいている。子どもが親の背中を流すように、私たちは家のほこりを取り除く。
人が住まなくなると家は劣化すると言う。使われない方が長持ちしそうなものを。
家は人にきれいにされるのを待ち侘びている。
だから、ありがとうの気持ちを込めて、今日もほこりを掃く。
(2月11日筆・15分)
zuihitsu・・・前日自分に課したキーワードをお題に、最低400字(原稿用紙1枚)で書く練習をしているものの一部出し