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ル・コルビュジエ展



展覧会後の語らいがまた好き
展覧会後の語らいがまた好き

 3月23日(日)まで開催中の「ル・コルビュジエ ー諸芸術の綜合 1930 - 1965」展に行ってきました!

 ル・コルビュジエはスイスで生まれ後にフランスに帰化した近代建築の巨匠として、私も遥か昔美術史の教科書で名前だけは記憶していたものの、建築そのものに対する関心が薄いため今でも知識は無に近いです。日本で見られる建築としては上野にある国立西洋美術館(最近モネの展覧会があったところ)なので、無意識的にも触れた方もおられるのでは。建築を語るには知識が無さすぎて何も言えないのですが、私がイメージする近代建築の特徴としては「直線」「シンプル」「無機的」などだったので(これすらどうなのか……)、たまたま広告でル・コルビュジエの上のようなペインティングのビジュアルを見た時は一瞬「え!?」ってなりました。これがル・コルビュジエによるものだなんて!とっても有機的で、曲線的で、カラフルでアーティスティック。思っていたイメージとは完全に真逆。俄然興味が湧き、都内の積雪を心配されながらも行って参りました。


 小ぶりな会場ながらも並べられた作品は一点一点が完璧な精度で仕上げられており、私はじんわりとした感動を覚えていました。建築一つ学ぶだけでも多くの人が大変労する中、絵画もこの完成度でアプローチできるとは。かなり多くのアーティストを嫉妬させただろうなと思う非凡さはすぐさま理解したのですが、とても好きだったのが、作品から感じる印象が全くもってこれ見よがしでなく、真摯に一ペインターとして作品に向き合っているのが伝わってきたことでした。精神性がとても高く落ち着いた方でいらしたのかなと想像し、例のじんわりとした感動に繋がっていたのだと思います。

 他のアーティストや職人との共作による彫刻やタペストリーもそれぞれに独自性があり、とにかく全てにおいて最高レベルまで極められており、またカンデンスキーやアルプなど他アーティストの作品との対比や、建築物の模型や写真、映像作品もあったりと、展覧会のテーマである「諸芸術の綜合」という狙いが良く伝わってきました。

 展覧会の最初の方ではいくつかのユニークな貝殻が並べられており、そういった自然界の有機物が彼のインスピレーションであったことも私には何となく意外で、建築の方ではどのように表現されているのかなと、逆輸入的な形で私は彼の建築作品にも少しだけ興味を抱いたのでした。


 今回の開催場所はパナソニック汐留美術館。数年前に別の展覧会で一緒に行った友人も私も、なぜか行き方が分からず遅れて集合。先に着いていた私はパネルのポスターを撮ろうとしたら警備員さんに注意され、「え、これもダメなの?」とほんの少し怪訝になりながらも、建物内全て撮影不可だったのは、最近では珍しいながらもゆっくりと集中できて、総合的にはとても印象のいい会場と展覧会でした。

おすすめ度星五つ!

気になった方はぜひ。

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