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3歳の誕生日

  • tanazawahanae317
  • 4月9日
  • 読了時間: 3分



愛を引き取ってから今日でちょうど丸一年になりました。母の提案で、引き取った日の4月9日が彼女の誕生日ということにしたので、推定になってしまうけど今日で3歳になりました。ここ最近は「あぁ、可愛いな」と思う瞬間が増えて、特に夜寝る時間になると、待ってましたとばかりに横になった私の布団の上に上がってきて、脇の下あたりで喉をゴロゴロ、前足ふみふみ(子猫時代ミルクを飲んでいた頃の名残りとか)。この子も子猫時代があったのだなぁと愛おしい気持ちになったりします。まだ直接抱っこはさせてくれないので、寝ボケたフリをして布団越しにギュッと抱きしめたりして、朝まで一緒に寝てくれるようになりました。


私の場合、猫を飼うのは第一印象なんか問題じゃなくて、いつも「運命」。どんなに汚かったり、不細工だったり、好みでなかったとしても(最初はありがち)、一緒に過ごすうちにだんだんと可愛さが表立ってくるものです。それは単に私の心理的な変化だけじゃなく、実際に毛並みが良くなったり、鳴き声がまろやかになったり、表情がとぼけてきたり、目に見える変化として現れてきたりします。そして、自分しかわからない可愛さを見つけるのが楽しい。


愛ちゃんみたいに時間がかかる子と暮らすようになり、よく思い出すようになったのがサン=テグジュペリの『星の王子さま』に出てくる「キツネ」。数年ぶりに読んだのだけど、名作と呼ばれるものは読むたびに発見があるもので、キツネはすごく愛ちゃんを連想させます。「仲良くなるにはぼくを飼い慣らさないといけないんだよ」と星の王子さまに伝えるキツネのセリフは、これまで分かっていたようで分かっていなかったことに気づきました。サン=テグジュペリにとってのキツネは知人女性がモデルになっているそうだけど、対人であれ、動物であれ、信頼関係を築くのは一朝一夕で叶うものではなく、時間をかけて相手に安心してもらえるパターンを作り、それを裏切らずに継続させ、定着させていくものなのだと。愛との生活を通してすごくそのことを実感させられます。


ベッド下から出てくるまで約半年。出てきてからも背中を起こしいつでも動けるようにビシッと座っていた愛ちゃんは、この写真くらいまで身体を緩められるようになりました。それでも薄目でこっちを見ていたり、不意に触るとビクッとしたり、まだまだ鎧を降ろしきってはいないようなので、私の目標としては家に帰ったら床に愛ちゃんがお腹を広げて落っこちている(へそ天している)、そして音を立ててもちっとも動かないで眠ってる、くらいの平和ボケを残りの猫生で経験させてやりたいと思っております。来年はどこまで行けるか。楽しみ:)




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