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「進化」

  • tanazawahanae317
  • 5月7日
  • 読了時間: 2分

Une pomme sur la table 2024 © Hanae Tanazawa
Une pomme sur la table 2024 © Hanae Tanazawa

 鉛筆ではなく、シャーペンで文章を書いている。

 シャーペンが生まれたとき、それは大きな進歩だったはずだ。鉛と持ち手を分けて考えると言うのは、なかなか飛躍的な発想だったはずで。

 メガネがコンタクトレンズになったのも、ノートがパソコンになったのも、馬が車になったのも、手紙が電子メールになったのも、全て飛躍的な進歩。事象の延長線上で形作られたのではなく、文字通り「飛躍」するような進歩。そう言う閃きは天から降ってくるものなのだろうか。

 一方で、変わらないものもたくさんある。

 鉛筆も、メガネも、ノートも、馬も、手紙も、変わらずまだ私たちの生活の中にあって、これらはこれらですでに一つの完成形なのだと教えてくれる。

 完成不十分だったものは、きっと保管こそされ残っていない。それらは流れの中の一つの折り目のようなもので、何かの進歩を助けたかもしれないし、はたまた実用性が伴わず廃れてしまったものかもしれない。

 それで、何が完成形なのかが少し分かる気がする。

 傘も、器も、テーブルも、ナイフもフォークも、見渡せば研ぎ澄まされた完成形で世の中は満ちている。



(5月2日筆・20分)



zuihitsu・・・前日自分に課したキーワードをお題に、最低400字(原稿用紙1枚)で書く練習をしているものの一部出し












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