
仕事でDMの制作を受けることがあるが、DMとは世知辛いものである。
私はそこそこにこだわったものを作らせてもらっている方だと思うが、基本的にはその情報に用がない人、済んだ人にはあっさりと棄てられる寂しいものである。販促媒体とは基本そういう性質を備えている。
DMはしかし、とても生命力のある、力強いものだなとも思う。抜いても抜いても生えてくる雑草のように、DMは棄てても棄てても届いてくる。
その生命力の強さみたいなものを、私はパンデミックの最中つくづく感じた。世間はやれ感染者数がどうだとか、自粛がどうのと大騒ぎなのに、DM(メール)だけは自粛も何も突破して、それまでの経済活動をただ淡々と続けていた。DMの背景に本当に生きた人間がいるのかと疑うほどに、それは機械的に、空気も読まずに押し寄せてくる。その態度は粗雑さや図々しさとも取れたが、一方で、人間はどんなことがあっても雑草のように強く生きるものなのだな、と安心させられたりもした。
(12月21日筆・15分)

zuihitsu・・・前日自分に課したキーワードをお題に、最低400字(原稿用紙1枚)で書く練習をしているものの一部出し