こちらが姉夫婦のために作った作品2点。
芍薬の花。
よくあることだけれど、相当迷走してもう出口なんかないんじゃないかと思ったところに、やっと出て来てくれた。今回も長くて辛かった。
「お花がいいな〜(でもお花じゃなくても・・・)」っていう割とざっくりしたリクエストだったので、時期的にいろんな公園で桜をスケッチしてみたり(結果、桜を描くなんて100年早いと思い知らされ)、常夏に合う感じ、っていうところでハイビスカスにしてみたり(こちらは本物が手に入らず)、想像的な花でもいいのかなと思ってやってみたり、そんなんで結果が出せないまま1ヶ月ほどすぎ、あと2、3日で受け渡し日という時に芍薬の方がシーズンになって店頭に出てきてくれた。姉の挙げた花リストの一つだったことと、芍薬は昨年亡くなった希以おばあちゃんも大好きな花で、祖母が毎年買って生けていたもの。個人的に買うのは初めてだったけど、今の我が家の割と和な暮らしにも似合っていて新しい発見だった。
ずっと頑張ってパネル板にアクリル絵の具で描いていたけど、紙に素材を変えたら割とあっさりと作品になってくれた。それでも水を扱う絵の具類はやはり苦手で、アクリラガッシュで描いた後、乾かしてその上にパステルを使い始めたら、ようやく私らしい創作の自由が・・・ドライメディア、万歳!
絵の具が乾く時間を待つというのが私にとってはかなり苦痛で、その時の衝動的な感覚がその間にも逃げていく気がしてしまう。オイル絵の具も学生時代一学期間クラスを取ってみたけど、色によっては乾くまで一週間もかかったりして、だけど締め切りは迫り・・・これは辛かった!でも油彩絵の具もキャンヴァスも値が張るから、結果相性が悪くて良かったと思うけれど・・・。
パステルはその点、欲しい色がすぐに出せて、他の色の上に使っても汚く混ざり合わず思ったままの色で乗ってくれる。修正もしやすいし、線の表情も豊かだし、私が敵対視、ならぬ無能がゆえの嫉妬心を抱く油画のような表情も時間をまたず出せて、楽しい。今回は改めてパステルの素晴らしさに感動させられた。
パステル画といえば、今(〜5月20日まで)東京丸の内の三菱一号館美術館というところで、フランスの画家オディロン・ルドンの「秘密の花園」という展覧会が開催中で、実はまだ行けていないのと会期中行けるタイミングがもうないかもしれないのだけど(!!)、もし行けそうな方がいたらぜひ行ってみてください!
全然知らなかったのだけど、13、4年くらい前にルーブル美術館で初めてこの方の作品を見つけて、それからずっと好きなアーティスト。色彩の豊かさと、醸し出す独特で不思議な雰囲気は観てすぐルドンと判る特別なもの。この方は油彩もしっかりとこなしますが、パステル画も(あとモノトーンの作品も!)とても素晴らしいです。ぜひお時間ある方は行ってみてくださいね。
三菱一号館美術館 ルドンー秘密の花園
実は今も別の方に向けて制作中・・・の、絵の具乾くの待ち。だけど、やっぱり目的を持って絵を描く事が私は本当に難しい!昨晩も、ネコを作ろうと思ったらイヌが出てきた(泣ける)。ほんといつも振り回されっぱなし。でも、あまりにもコントロールが効くようになると面白くなくなるのかな・・・。
よく聞く、「人のために」「社会のために」っていう大義名分ですんなりと作品が作れるようになるには、私の道のりは怪しく険しい・・・。
そんな私を信じて制作依頼をしてくださった姉夫婦に、改めて感謝でした!