No title

ある朝姉が撮ってくれた写真。サンディー(左)とさんちゃん(右)と
ある朝姉が撮ってくれた写真。サンディー(左)とさんちゃん(右)と

 

大きな台風21号が通過して、今朝もきっとそのニュースだろうとテレビをつけたら、北海道で大地震のニュース・・・。何かが狂い始めている今年の夏。

 

でも考えてみたら、今起こっていることは、私が子どものときにはすでに予測されていたこと。

小学校の教室で、このまま温暖化が進めば数十年後には大洪水がたくさん起こるようになるなんて教えられて、恐怖に駆られたことを覚えている。

 

一体何をしてきたのだろう、この「知っていたはず」の数十年。

たくさんの負の遺産だけを未来に残すような気がして、忍びない。

 

眼圧が上がりもう見えない目が、ビー玉のように光ってなんとも可愛らしい
眼圧が上がりもう見えない目が、ビー玉のように光ってなんとも可愛らしい

この夏我が家が抱えた悲しい出来事は、姉夫婦の愛犬の一匹、サンディー(現在は実家で預かっている)が、突如白内障と結膜炎で失明したこと。

犬種はわからないけど、「絶対猟犬の血が入ってるよね」と言いたくなるほど、トップスピードでどこまでも駆け回れそうだったこの娘が、ある時から急にスピードを失い、ふらふらとした足取りで側溝に落ちるようになった。あいにく良い獣医に恵まれず、3軒目の医者の2回目の検診で、多分リンパ腫(血液のガン)だろうと判明。突然のガン宣告は、犬にも来ると知る。

 

もともと私は猫派で、犬には可愛さ以上に賢さを求めてしまうところがある。このサンディーは私の知る犬の中でも本当に頭がよくて性格も素直で、犬を飼うんだったらサンディーみたいな子と思うこともよくあった。

 

目の異常があってから、サンディーは大好物の「さんぽ」という言葉にも、心配して様子を見に来た姉の声にも尻尾をふらない数日を、目をつぶって臥せり、飲まず食わずでただ静かに過ごした。その時は眼圧が上がり目に相当な痛みがあったのだと、お医者さんに聞いて後から知った。目ヤニが大量にあふれ、目薬を射そうにも、目を開けるのが辛そうだった。痛みがあれば、言葉は発せなくとも唸ったり嘆いたりできそうなもの、サンディーはただただ無音で、唯一流れる目ヤニが涙のようで、ひとり静かに耐える姿が印象的だった。そんな、目をつぶって床に臥せっているサンディーの横顔、何かに似ているなぁと思ったら、映画やなんかで見かける、気高き眠れるドラゴンのようだった。

 

高額な目薬のかいもあって、目が開けるようになり、明らかに失明はしているものの、「さんぽ」や人の気配にまた尻尾をふって答えてくれるようになった。尻尾がバッタンバッタンと、ソファや家具を打ち付け、目覚めや帰宅を歓迎してくれる音に今は癒されている。

 

台風開けの今日の散歩では、今まで以上に周囲の木々が折れ、道が小枝や葉っぱで散乱していた。

 

重機が大きな音を立てて人間の道路を清掃する中で、森の中に折れた木々は、自然な重力を受けてゆっくりと地面に傾き、先に落ちた枯れ葉や枯れ木がそれを優しく受け止めるのだろう。雨や風が柔らかくそれを砕き、雪が降ったら均一に重しがされて、ゆっくりゆっくり、地面に向かっていく。地中の微生物がたくさんの時間をかけてそれ分解し、いつかまた、再生される。

 

 

 サンディーの足掻かない様子、「辛いよ、痛いよ」と嘆かない強かさ、自然てすごいなって改めて思わされる。目を瞑って過ごしていた数日間、ただひとりで、その宿命を受け入れたのではないだろうか。

 

 

人間も、自然に聞かなければ・・・。

 

 

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