持って逃げるは猫一匹

Untitled 2019 ©︎ Hanae Tanazawa
Untitled 2019 ©︎ Hanae Tanazawa

 

前の文章に書いてなんか気に入ってしまったこのフレーズ。

いつか出すエッセイ本のタイトルにしようかな(笑笑笑/夢)。

 

逃げると言えば、今日2月3日は、私が横浜に引っ越してきてちょうど一年の日。

 

午後3〜5時の間に来る予定だった引っ越し業者さん、遅れに遅れてすっかり暗くなった7時くらいに到着すると、竜巻のように荷物を積み上げ、新居に荷下ろしできたのは10時近かった気がします(なんと同日私が4件目という、聞くからにブラックな引っ越し業者さんでした)。引っ越しというよりも夜逃げに近かったあの日から丸一年。周りはあっという間だねと言うけれど、私の体感的にはとても長く濃厚な一年でした。この新鮮さがいっぱいの一年目というのが私は毎度大好きです。

 

ところで、この前の文章を書いていた前後、山中湖の知り合いから、実家の斜め向かいの家が火事で全焼したという連絡があり(!)家族LINEは一時騒然としていました(両親はそこにはいませんでした)。夜中の火事だったけど無事鎮火され、(別荘なので)怪我人なし、周囲の家も守られたのが不幸中の幸い・・・。場所が判然としないんだけど、猫を失踪させた時、泣きべそかきながら情報収集していた私を慰めてくれたあのおばちゃんの別荘かなぁと、そのことだけが気がかりです。原因はまだ聞いてないけど・・・皆さんも火の取り扱いにはくれぐれもお気をつけくださいね。

 

さて、もしもそんなふうに火事とかにあった場合、猫以外にできたらこのノートパソコンも反対の腕に抱えて逃げたいとは思うものの、バックアップになっているのは、このウェブサイトやSNSだったりするなぁと思いました。私の作品や文章の多くはここに残っていて、たとえ端末が変わってもアクセスできるのはありがたい限りです。

 

ブログは最近でこそTwitter気分で(とはいえどうしても長文になっちゃうけど)書いてみようってやってたけれど、元々は文章の練習場と思っていたので、noteとかやれば読者つきそう言ってくれる友人もありながら、誰に読まれなくとも真面目な文章も割と綴ってきたのです。「王様の耳はロバの耳」って童話あったと思いますが、あの主人公が言いたいことを叫ぶために掘った穴、あれが私にとってのこの場所。なので、誰も気づいてないと思うけど、このウェブサイトはわざと最初からSNSに同期せず、コメント欄も作らず、わざわざ有償プランにすることでスポンサーなしの運営をしています。自分を、人の意見に左右されずに表現したいと思ったから。思い出したけど、Facebookを辞めようと思い(当時それでも一年くらい悩んだような)、その代わりの自己表現の場としてこのウェブサイトを立ち上げたので、その当時は今よりも人の意見(や無意見)に影響を受けていたのだと思います。思えば、あの世間をシャットアウトして殻に閉じこもり、物を作ってはこの場所だけで発表していた2013年から、また勇気を出して(←本当に勇気がいった)インスタを始めた2018年くらいは、ちょっと暗黒時代と言えばそうだけど、でも必要不可欠な自分形成の時代だったと思います。

 

ここでも去年の夏くらいから気軽な投稿を増やしていたけど、前回アフリカのことを書きながら、やっぱりああいう文章をもっと書きたいなと思いました。普段の私を知ってる人は、私の話し言葉とのギャップに驚くかもしれないけど(普段はぬけていてつっこまれること多々なのです)、どちらも私であって、ちゃんとした文章はそれはそれとして書けるようになりたいと思っています(憧れは向田邦子)。アフリカのこととか案外書いてなかったことに気づき、自分の記録としても、薄れる前に文章として書き留めたい気持ちになりました。なので急にああいうトーンで書く日があっても驚かないでくださいね。ここにちゃんと残せば、もし本当に火事があって全財産失っても、ちょっとは慰められる気がするから。

 

インスタグラムの方がいっぱいいろんな人からリアクションもらえるけど、私はこの無音の場所をどの媒体よりも大切にしているのです。

 

誰だかわからないけど、たまに覗きにきてくれる皆さん、ありがとうございます。

 

 

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