お金シリーズです。
バックナンバー:
今回で本題に入ろうと思ったのですが、もう一つだけ基礎情報。
大人でしたら大体想像つくことだと思うので、今回はサラッと書きます。
***
現在のお金の多くは「紙幣」ではなく、「数字」で存在しています。
どの程度が「紙幣」でどの程度が「数字」かというと、前者が約121兆円、後者が約1591兆円*なので、比率換算すると1:13くらいです。(←7/2訂正:すごい数字ミスしてました笑)
*銀行発行券(日本中にある紙幣の総額 /2023年6月20日現在):120,974,166,812,000円
マネーストックM3(日本人が現金・預貯金などで持っていると認識しているものの総額 / 2023年5月):1591.2兆円
そんなことして良いのかって感じですが、ほとんどの人にとって、稼いだお金を全て現金で持つ必要は基本的にないので、コンピューターの発展と誰かの悪知恵がタッグを組み(?)、いつしか自然発生的にそうなっていったのだと勝手に想像しています(もしかしたらもっと前かな?)。
例えるなら、スマホやデジカメで写真を撮っても、現像して持ちたい写真はほんの一部というのに似ています。ほとんどの画像はデジタルデータだとしても、私たちは「(画像を)持っている」という認識でいますし、データだけでやり取りすることもよくあります。逆に現物が欲しければ、カメラ屋さんに行って必要なものだけ現像して所有することができます。そんな感じで、多くの場合、私たちは数字だったもの(預金)の一部をATMで現金として物質化して使っています。
ただ、カメラ屋と銀行の違いは、カメラ屋さんはデータを元に印刷することができるので、時間はかかれど現物は必要なだけ手に入れられますが、銀行の場合、お札を刷っているのは日銀ですらなく、財務省の計画による国立印刷局なので、銀行が独自の判断で追加増刷できるものではありません。
経営が安定している時は大丈夫でも、一度銀行が信用不信に陥ると、「もうこの銀行には預けておけない」と多くの人が預金を一斉に引き出すことがあります(=「取り付け騒ぎ」と言います)。そうなると実際にそんなに大量の現金は存在しないので、その銀行は経営破綻に陥ります。今年の3月にアメリカのシリコンバレー銀行でまさにこのことが起き、シルバーゲート銀行、シグネチャー銀行も相次いで破綻、スイスのクレディ・スイスも似たような危機に陥りました(破綻→買収)。
***
ちょっと話がずれるけど、これ(↑)、お金とは関係なく考えていたことがあるのですが、データとして持っているものは本当に存在して、持っているということになるのでしょうか?私は自分の仕事の成果を結構データとして保有しているので、こういうことを考えたりします。
例えば全世界が一度隕石とかで滅亡して、壊れたPCやスマホだけが大量に未来人に発掘された場合、未来人は私たちのテクノロジーを復旧させない限り、その中に含まれる数々のデータを見ることができません。(私たちがピラミッドやミイラの作り方を未だにわからないのはこれに似てる?)そうすると未来人たちは、壊れたPCやスマホを単なる石板のようにしか見なさないかもしれません。
・・・とまぁ、わざわざ全世界を滅亡させないまでも、数字(お金)はやっぱり単なる概念でしかないのです。
***
余談ですが、実は今、(特にアメリカの)経済状況がかなりまずいんじゃないかと思っていて、色々起こる予感がしているので、このお金シリーズももう少しペースアップして書いていけたらと思っています!が、すっごいどうでもいいことだけど、このシリーズに合わせる挿絵を全てコラージュ作品で統一したいという個人的な野望により、私の作品ストックがないために書き急げない状況があったりします(苦笑)。アメリカの経済破綻が先か、私の作品破綻が先か(←どうでもいい)。ちなみに合わせて作っているというより、あるもの、できたものを合わせにいってる感じです。
まぁ私なんかの情報を待つよりは、ご自身できちんと調べて対策されることを本当に本当にお勧めします!なんとなく、何かが弾ける感じが・・・
みなさーん、勉強しましょう〜!
ーーーーーーーーーーーーーーー
*追記:大西つねき氏著書pp.42-43記載の銀行発行券(日本中にある紙幣の総額)とマネーストックM3(日本人が現金・預貯金などで持っていると認識しているものの総額)の検索方法により得た最新の数字です。
参照:財務省HP
発行銀行券 (2023年6月20日現在) 120,974,166,812,000円
マネーストックM3 (2023年5月) わかりにくいけど、M3の一番下1591.2兆円がそれと思われます
参考図書:大西つねき著『私が総理大臣ならこうする』白順社, 2019 第2刷, pp. 14-15, 42-44
*数年前の書籍のため、具体的な数字は今とは違うところがあります