椅子は減るよ、どこまでも(お金シリーズ#012)

North Polar Bear on Ice(仮) 2019 ©︎ Hanae Tanazawa
North Polar Bear on Ice(仮) 2019 ©︎ Hanae Tanazawa

 

宣言通り、お金シリーズです!

 

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前回(#011)は「信用創造」について触れたのですが、現代のお金(という数字)は、誰かが借金することで発行されるので、この借金には必ず金利が発生します。

 

 

#011のシチュエーションでいうと、仮に出来杉くんが公園にいる全ての子どもたちに年利2%でお金を貸していた場合(抜かりないのです、出来杉くんは)、

 

しずかちゃんが一年後出来杉くん(銀行)に返すお金は、借りた900円+金利2%分(900x0.02)=918円。

 

その後お金を借りたハナエが返すお金は、810+(810x0.02)=826円。

 

その次の子どもは729円+(729x0.02)=744円。

 

・・・などと続いていきます。

 

つまり、しずかちゃんは、使ってしまった900円だけ集めて返せばいいというわけではなく、余分に誰かから18円稼いで返す必要が出てくるのです。同じことを全員が全員、お互いに対してやるのですから、当然世の中にはお金が足りなくなります。50人程度が集う公園の子どもの間だけでも、様々な諍いが生じることは直感的に想像できるかと思います。

 

そういうわけで、稼げる人間と稼げない人間の間で格差や競争が生まれたり、利息分を稼ぐために、環境や人権が搾取されたりということが起こってきます。

 

 

このように、借金でお金を発行し、それを返すということを続けている限り、必ず元本+利息分のお金が最終的に消えていきます(大西, p.52)。本当にお金がなくなったら世の中が回らなくなるので、この借金による信用創造を無限に繰り返し、出来上がったのが今のおかしな貨幣システムです(→この深掘りを次回)。

 

このことを、〈壮大な椅子取りゲーム〉と最初に例えたのは誰だったかわかりませんが、私たちは一人残らず、この〈壮大な椅子取りゲーム〉に駆り出されています。借金していても、いなくても、全ての物やサービスには金利分のお金が上乗せされているからです。そのお金を支払えない人間は、一人ずつゲームから脱落していきます。ゲームの椅子の数はどんどん減っていき、音楽はどんどん早くなっていきます。誰もがホームレスになりたくなくて、今日や明日の椅子のために、他人を押し退け生きることを強いられています。

 

 

だから、何度でも強調しますが、もしあなたがどうやっても他人と比べてしまう自分がいるとか、いつまでも楽にならないというのなら、この「システム」に根本的な原因があるということをはっきりと認識してくださいね!私たちが駆り出されているこの架空のマネーゲームが、あまりにもおかしなルールにより成り立っているのです。

 

 

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・・・と、今回書いていてやっと私も腑に落ちることがありました(何度も何度も読んでいたのに)!やっぱり自分でアウトプットするってすごく大事!

 

この先書き進められる気がしてきたので、小出しでもっと頻繁にアップできたらいいな。明日続きアップしちゃうかも?宣言?

 

よかったらついてきてくださいね!

 

 

 

 

参考図書①:大西つねき著『私が総理大臣ならこうする』白順社, 2019 第2刷, pp. 51-53

参考図書②:河邑厚徳+グループ現代著『エンデの遺言〜根元からお金を問うこと〜』NHK出版第15版, 2000年 pp.63-65

*どちらも具体的な数字は今とは違うところがあります

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