2018年

9月

06日

No title

ある朝姉が撮ってくれた写真。サンディー(左)とさんちゃん(右)と
ある朝姉が撮ってくれた写真。サンディー(左)とさんちゃん(右)と

 

大きな台風21号が通過して、今朝もきっとそのニュースだろうとテレビをつけたら、北海道で大地震のニュース・・・。何かが狂い始めている今年の夏。

 

でも考えてみたら、今起こっていることは、私が子どものときにはすでに予測されていたこと。

小学校の教室で、このまま温暖化が進めば数十年後には大洪水がたくさん起こるようになるなんて教えられて、恐怖に駆られたことを覚えている。

 

一体何をしてきたのだろう、この「知っていたはず」の数十年。

たくさんの負の遺産だけを未来に残すような気がして、忍びない。

 

眼圧が上がりもう見えない目が、ビー玉のように光ってなんとも可愛らしい
眼圧が上がりもう見えない目が、ビー玉のように光ってなんとも可愛らしい

この夏我が家が抱えた悲しい出来事は、姉夫婦の愛犬の一匹、サンディー(現在は実家で預かっている)が、突如白内障と結膜炎で失明したこと。

犬種はわからないけど、「絶対猟犬の血が入ってるよね」と言いたくなるほど、トップスピードでどこまでも駆け回れそうだったこの娘が、ある時から急にスピードを失い、ふらふらとした足取りで側溝に落ちるようになった。あいにく良い獣医に恵まれず、3軒目の医者の2回目の検診で、多分リンパ腫(血液のガン)だろうと判明。突然のガン宣告は、犬にも来ると知る。

 

もともと私は猫派で、犬には可愛さ以上に賢さを求めてしまうところがある。このサンディーは私の知る犬の中でも本当に頭がよくて性格も素直で、犬を飼うんだったらサンディーみたいな子と思うこともよくあった。

 

目の異常があってから、サンディーは大好物の「さんぽ」という言葉にも、心配して様子を見に来た姉の声にも尻尾をふらない数日を、目をつぶって臥せり、飲まず食わずでただ静かに過ごした。その時は眼圧が上がり目に相当な痛みがあったのだと、お医者さんに聞いて後から知った。目ヤニが大量にあふれ、目薬を射そうにも、目を開けるのが辛そうだった。痛みがあれば、言葉は発せなくとも唸ったり嘆いたりできそうなもの、サンディーはただただ無音で、唯一流れる目ヤニが涙のようで、ひとり静かに耐える姿が印象的だった。そんな、目をつぶって床に臥せっているサンディーの横顔、何かに似ているなぁと思ったら、映画やなんかで見かける、気高き眠れるドラゴンのようだった。

 

高額な目薬のかいもあって、目が開けるようになり、明らかに失明はしているものの、「さんぽ」や人の気配にまた尻尾をふって答えてくれるようになった。尻尾がバッタンバッタンと、ソファや家具を打ち付け、目覚めや帰宅を歓迎してくれる音に今は癒されている。

 

台風開けの今日の散歩では、今まで以上に周囲の木々が折れ、道が小枝や葉っぱで散乱していた。

 

重機が大きな音を立てて人間の道路を清掃する中で、森の中に折れた木々は、自然な重力を受けてゆっくりと地面に傾き、先に落ちた枯れ葉や枯れ木がそれを優しく受け止めるのだろう。雨や風が柔らかくそれを砕き、雪が降ったら均一に重しがされて、ゆっくりゆっくり、地面に向かっていく。地中の微生物がたくさんの時間をかけてそれ分解し、いつかまた、再生される。

 

 

 サンディーの足掻かない様子、「辛いよ、痛いよ」と嘆かない強かさ、自然てすごいなって改めて思わされる。目を瞑って過ごしていた数日間、ただひとりで、その宿命を受け入れたのではないだろうか。

 

 

人間も、自然に聞かなければ・・・。

 

 

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2018年

8月

22日

満ち足りています

 

 

8月も後半に近づき、今週から学校が始まったり、仕事が再開したりしているのでしょうか。

 

一瞬秋めいた空気になったのは山中湖だけではなかったみたいですが、我が家では8月20日にさっそくストーブが焚かれ、さすがに笑ってしまいました。今日はまた暑いです。

 

山中湖には、パソコンやプリンタも運んでそれなりに仕事らしいことをしようと思っていたのですが、ネットがつながらないことを言い訳に、結局あまりしていません。

 

今は朝晩のバイトの合間に2匹の犬のお世話や散歩と、ハンモックに寝転んで読書という名の時々お昼寝くらい。買い物も行かないし、友人にも数回しか会いにいってないし、お化粧もほとんどやめています。働き盛りと言われる30代で、すでに隠居のような日々。苦笑 適度に仕事があり(職場の皆さんが本当に働き者で優しくて...!)、身体を休めながら自然の美しさに浸る瞬間があれば、都会生活で気になっていたいろんなこと、紫外線とかアクセサリーとか服装とか評判とか、本当にどうでも良くなる。何よりも、2匹ののんびりした犬たちがほのぼのと日向ぼっこに日長一日費やし、たまの散歩でワクワクして、たいした不満もなさそうにしているのを見ると、人間だって別に満足していいんじゃないかって、そう思いたくなる・・・。

 

 

たんなる水たまりに映った緑や青や木漏れ日が、こんなに美しいんだもの
たんなる水たまりに映った緑や青や木漏れ日が、こんなに美しいんだもの

 

なんというか、人間的にああしてみたり、こうしてみたり、いろんな策略で頑張ってみようと思うその目の前で、犬たちが草むらで糞をして、恥ずかしさと証拠隠し(?)に後ろ足で土をかぶせ(うまく行かないことがほとんどにしても)、その土についているたくさんの微生物たちが、きっと嫌々ではなく食べ物としてその糞にたかって分解して、豊かな土に返していくシステムを目の当たりにするときとか、草むらを楽しそうに歩き回る犬たちの体についたひっつき虫(種子)を、まんまと別の場所で取り除いてあげている瞬間に、人間の計画や策略なんてと、思わずにはいられない。

 

今日も昨日もその前も、地面に落ちる木漏れ日があまりにもきれいで、それが遠く遠くの太陽と、ちょっと上の雲と、目に見えない風と、周辺の木々が織りなすものかと実感すると、もう本当になにもできなくなるというか、しなくていいような気になる。

 

だからかどうか知らないけれど、考えなくてはいけない夢も現実もほったらかしにして、今は自分の未来がどうなっていくのかすら、他人事のように見つめてみたい。

 

 

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2018年

8月

04日

涼しいです

 

更新がまた久々になってしまいました。

 

実は月末、引越しをしていました。

今は実家のある山中湖で例年同様、リゾートバイトをしています。

 

こんなこと言うのも多少気が引けることなのですが(ってもうタイトルにしてるし)…

こちらはとても涼しいです!

 

横浜なんかと比べたらもう…天国(すいません)。

 

でも、地元で生活する人たちは今年の都会の猛暑を理解できないので、

「暑い、暑い」と言って仕事をしています。

 

私としては暑いところで生活している方々に申し訳ないような気持になって、そのたびにこちらの涼しさ(や都会の暑さ)を力説しているのですが。山中湖も確かに、昔と比べたら暑いのですけどね。朝夕はひんやり、日陰は涼しいので、お陰様でよく眠れています。

 

ついさっきも、庭のハンモックでユラユラ...バイト後もあって、読もうと思った雑誌を開くまでもなく睡魔に引き込まれ、2時間たっぷり眠ってしまいました。たまにあるのですが、ハンモックの下にパックリと睡魔口なるものが現れて、驚異的な吸引力で私を引っ張り込むものだから、起きたくて起きたくてもがけども、どうやっても起きられない…。去年はソファで昼寝中、睡魔口がソファ中から現れ、ソファに吸い込まれるように深寝にはまり…ミラノから一時帰国しているという貴重な友達を大雨の中1時間も外で待たせ、結局会えなかったっていう大失態をおかしました。この時も大雨の音が夢の中に鳴り響き、起きなきゃ起きなきゃという戦いを長いこと繰り返していました。

 

どなたかわかっていただけないでしょうか。

たまにあるのです、こういうこと…。

 

飛行機に乗って、離陸寸前の爆音の中でも同じ睡魔口が後頭部背後くらいに現れてよく眠れます。これ、どのくらいの方に共感して頂けるのか…、いつか出会ったら語りたいです。笑

 

(ちなみに睡魔口(すいまこう)も深寝(ふかね)も私の造語)

 

脱線しましたが、そんなわけで、あまりにも何もせずにせっかくの半休を終えてしまいそうなので、ちょっとは仕事をしようと思い、でもせっかく持ち込んだパソコンはポケットWi-Fiが圏外表示で使い物にならず、地元の図書館に来てパソコンを使わせてもらっているという次第です。

そばに、私を見つめる白いヒト…。

 

都内や横浜から、車で1時間半~2時間、今年は山中湖に絶対来るべき!湖畔周辺は陽が当たってそれなりに暑いので、森林の中にあるようなペンションなんかおすすめですよ!私の職場は教えませんが(笑)、出会っちゃったらそれはそれで楽しいですね。

 

それでは皆さまくれぐれも涼しくしてお過ごしください!

 

 

 

2018年

7月

17日

Prayer

Untitled 2005? ©︎Hanae Tanazawa
Untitled 2005? ©︎Hanae Tanazawa

 

猛暑が続きますが、皆様お変わりないでしょうか。

 

西日本豪雨で被災された皆様の健康と安全が守られますように。

現実的に、自分の体力と経済力を秤にかけて、もし向かえるようであれば、ほんの数日でもボランティアに行けたらと願っています(もう少し後になってしまいますが・・・)。

 

 

今、とあるプロジェクトに加えてもらっていて、横浜(特に山手)の歴史を勉強しています。長年住んできたこの土地(とは言え私は平民に許された(?笑)程度の地)ですが、調べれば調べるほど、面白みが増してきます。当たり前に見てきた景色が違って見えるから、不思議です。

 

横浜市も、短い間に二度大きな災難を経験しました。1923年に起こった関東大震災と、復興間もない1945年の横浜大空襲。ご存知の方も多いでしょうが、今メジャーな観光資源の一つとなっている山下公園は、関東大震災の瓦礫を埋め立てて公園に作り変えられました。

 

また偶然にも、最近友人に勧められて読み始めた、女優で文筆家の岸惠子さんの本「ベラルーシの林檎」(朝日新聞社出版)の冒頭は、岸さんが地元横浜(しかも山手公園!)で防空壕に入る代わりに松の木に登り、大空襲から生き延びたエピソードから始まっています。

 

短い期間に二度も再建しなければならなかったその時代の苦痛を思いながら、連日、ニュースで突きつけられる現実・・・。エアコンをつけなければ1日を過ごしきれない現実と、それがもたらす環境変化の悪循環・・・。一体答えがどこにあるのか、そもそも解決策などあるのか。でも結局は、一人一人の日々の小さな選択の積み上がった先に、それ相応の未来があるのだと思います。

 

 

私の最近の秘策は、図書館で涼みながら勉強すること!

 

皆様、くれぐれもお気をつけて、よい一日を:)

 

 

2018年

4月

23日

ピカソ ÷ 10

ピカソの肖像 Portrait of Pablo Picasso (sketch)  Ink on Paper 2003? ©︎ Hanae Tanazawa
ピカソの肖像 Portrait of Pablo Picasso (sketch)  Ink on Paper 2003? ©︎ Hanae Tanazawa

 

 

ここ最近、マレーシアの姉夫婦に頼まれて取り組んでいた作品が悲しいくらいにどうやっても出てきてくれなくて、イライラも不安もMAX状態の1ヶ月が続いた。描いては塗り消し、描いては塗り消し、もうあと1日しか猶予がないという時に、木製パネルにアクリルで描くことをやめて紙にガッシュとパステルで描き始めたら、ようやくこれならと思うものが出来た。まだ本人たちに届いていないので実際の作品は後日改めてお見せできればと思いますが、改めて、私はpainter(絵の具で描く絵描き)ではなくて紙媒体にドライメディアの人間なんだと実感。

 

 

ストックしてある紙を出す時に、学生時代のいろんなスケッチもついでに出てきた。上もその一つで、多分ピカソの顔。小さなものだけど、今見れば悪くない線もある(から取っておいたのだろう)。

 

 

他にも未熟者なりに苦戦しているスケッチがたくさん。

 

 

 

Sketch Ink on Paper 2003-2004?  ©︎ Hanae Tanazawa
Sketch Ink on Paper 2003-2004? ©︎ Hanae Tanazawa

「老婆の横顔」シリーズのためのスケッチ。

 

大学時代に一枚の老婆の写真からインスピレーションを受けて、山ほど描いたシリーズものの、下手なものたち。

 

 

この1個目のなんて、今見ればちょっと別の味わいもある(?)。

 Sketch Ink on Paper 2003-2004?  ©︎ Hanae Tanazawa
Sketch Ink on Paper 2003-2004? ©︎ Hanae Tanazawa
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2018年

3月

18日

新しい夢

ハンサム大根 2018 ©︎ Hanae Tanazawa 色鉛筆(Color pencils) 3歳の女の子がおじいちゃんの畑に植えて収穫したというものを分けてくれた。見た瞬間に「描きたい!」と思って、実はこれでスケッチ3枚目。
ハンサム大根 2018 ©︎ Hanae Tanazawa 色鉛筆(Color pencils) 3歳の女の子がおじいちゃんの畑に植えて収穫したというものを分けてくれた。見た瞬間に「描きたい!」と思って、実はこれでスケッチ3枚目。

 

おかげさまで、昨日で36歳になりました。

 

そろそろ憂鬱な数字ですね〜・・・36。

35というのはなかなか好きな数字だったのですが。

 

「静かにしてたらスルーできないかな」と友人にメールしたら、

「何も静かにしてなくても・・・」と突っ込まれました。

 

・・・36も好きになれるように頑張ります・・・(奮い起し気味で)!

 

 

正直、35くらいまでには結婚やら出産やら、世間一般的な何かしらの変化があるものと思っていました。でもどうやらそれは私の人生ではないんだと、この誕生日にはそれを受け入れる作業から入りました。

 

悲しいようですが、これもまた人生。

無い物ねだりはやめて、「今」を感謝して生きようと思うと、

いつも落ち着く結論は、ただ絵を描くこと。

 

 

 

絵を描く20歳前までは、私は「過去」か「未来」にしか生きていませんでした。

 

「過去」の、キラキラと楽しかった時間がなんとも懐かしく、美しく思えて浸ってしまったり、

「未来」の、きっともっとなんでも可能で、もっと輝いているだろう時間に生き急いでしまったり。

 

その間の「現在」はいつも現実的で味気なく、いつでも一番、不満を感じる時間でした。

 

 

うーん例えるならば、素潜りで水の中に入る感じ・・・。

 

一生懸命息を保たせようとするんだけど、でもあの空気のいっぱいあった過去に戻りたい、それが無理なら、空気がいっぱい吸える未来に向かいたい!その間に漂う「現在」の酸欠状態の、なんて暗くて怖くて、苦痛なこと・・・!

 

 

 

でもそんな私にとって、絵を描くようになって初めて、「現在」が生きた時間になりました。

 

きっと、酸素ボンベを手にしたような自由。酸素ボンベを担いで海に潜ったら、海底にはサンゴ礁や貝殻が輝いて、不思議で綺麗な魚がたくさん泳ぎ、そこはまるで想像もしていなかった豊かな世界・・・。

 

そんな風にして、海中を泳ぎたいだけ泳ぎまわり、そこで写し出した記念写真は、絵という一枚の作品になる。「過去」に存在しなかったもの(作品)が「未来」に存在するようになる。「あー楽しかった!」っていうイベントの記念に、新しい写真(作品)が一枚残る。こんなに「現在」を生きた証を視覚的に残せるって、ラッキーなことだなって常々思う。

人によっては、子どもなんだろうな。私にとっては、作品が子ども。

 

 

 

この年になると、未来はちょっと怖い。過去には後悔も増える。

 

 

 

だからもっと、現在を生きよう。

 

 

絵を描くだけじゃなくて、

 

美味しく食事しよう。

 

人と笑おう。

 

心から好きなことをしよう。

 

 

それで毎日を重ねられたら、きっと明日死んでも、悔いはなし。

 

 

 

人並みの人生ではないかもしれないけど(お願いだから比較しないで!)、

私らしく生きようと決意した、36年と1日目でした。

 

 

新しい夢の話は、長くなったのでまた今度・・・!

 

 

 

 

いろんな予定ほったらかして今日一日このスケッチに費やした。鮮度のあるものは今描くのを急かされるからいいね。晩には美味しくいただきました。
いろんな予定ほったらかして今日一日このスケッチに費やした。鮮度のあるものは今描くのを急かされるからいいね。晩には美味しくいただきました。

2018年

3月

10日

小津安二郎とインスタの関係

Fresh Vegetables 新鮮野菜 2018 ©︎ Hanae Tanazawa 本当は大根(小ぶりの4本)まで描いたのだけどうまくいかず、葉っぱ部分だけでクロップ(トリミング)したら画になった。今後はこんな手ももっと使ってしまうかもしれない。
Fresh Vegetables 新鮮野菜 2018 ©︎ Hanae Tanazawa 本当は大根(小ぶりの4本)まで描いたのだけどうまくいかず、葉っぱ部分だけでクロップ(トリミング)したら画になった。今後はこんな手ももっと使ってしまうかもしれない。

 

今日もありがたきアマゾン様の恩恵に預かり、映画を一本観た。

 

タイトルからして小津安二郎監督のものと思わせておいて、

今日観たのは黒澤明監督の、「生きる」。

 

この映画、実はアメリカ滞在中に初めて観たので今回が2回目。

大学の図書館で無料で借りたのだけど、タイトルが「Ikiru」だったのが印象的だった。

二十歳そこそこの私が観てすぐにピンと来る内容ではなかったものの、数日後に急に

(ぁあ!!!)と知覚するような、私にとってはそういう映画だった。

 

ちょっと前に、これも2回目の「羅生門」を観た。

こちらは1回目以上に衝撃的だった。

キャストはたったの6人(プラス最後にちょっとだけ赤ん坊1人)。最低限の人物と場面設定で、舞台の要素あり、落語の要素あり、それこそ「素材(俳優)」を皮から身まで全て使って、人間の深く悲しい実像を描き出している。これは絶対原作を読まなければと思わされた。

 

大いなるアマゾン様のおかげで、ようやく小津安二郎監督のものもいくつか観ることができたのだけど(私が観たのは「東京物語」と「秋刀魚の味」と・・・あと何か)、観ていて気がついたことがある。

 

 

それは、

 

 

「小津安二郎の映画は、インスタ映えがすごい。」

 

 

こう言ってしまうと俗っぽくなってしまうけど、敢えて言ってみている。

私、自分でもインスタグラムを始めたばかりだけど、

小津安二郎監督の作品を観ていたのはそれ以前。

 

要は、構図が非常に、異常に美しいので、言ってしまうと、どの場面で一時停止を押しても画として成り立つような美しさなのである。それはおそらくとっても計算されているし、明らかに構図のために小道具や大道具も設置されていたりして、言ったら、役者の動きまでその基準で動かされいているんじゃないかと思うくらい。でもそれが個人的には全く嫌な感じではなくて、純粋に監督自身が無視できない美学の表れなんだろうなって思う。中身がちゃんとしているから、きっと許されることでもある・・・。

 

小津監督のフレーミングには数段階の工夫があって、カメラが作り出す枠(フレーム)の中に、障子や襖がフレーミングしている別の枠組みがあり、それが廊下や畳の線で繋がって(そしてそれらがうまいことピンぼけていたりして)、まんまと視線を誘導されているのである。

 

一度父が、黒澤明監督の映画を観ながら「黒澤のは画がきれいすぎて時々疲れる」と呟いていたことがある。私もそう感じるのかなと思ったけど、黒澤明監督と比べても、小津安二郎監督の構図の凝り方は上かなと個人的には思う(そしてなぜか疲れない)。

 

 

そういうわけで、小津監督がもし現代に生きていたら、そして仮にインスタグラムをやっていたら、ものすごいインスタグラマーになっていただろうなというどうでもいい想像をする一方で、

 

世の中のインスタ映えに熱心な若者たちには、新しいものだけじゃなくて、小津安二郎監督の映画を観て勉強しなさいと、誰を捕まえるでもなく、自分がインスタ初心者であることも忘れて、言いたくなったりする・・・。

 

 

 

2018 ©︎ Hanae Tanazawa イマイチだったので、「東京物語」風にしてごまかしてみる・・・
2018 ©︎ Hanae Tanazawa イマイチだったので、「東京物語」風にしてごまかしてみる・・・

 

 

そうそう、それで、インスタグラムのアカウントを早々にお引越ししました!

最初のものが色々と支障をきたしていたので。

今後はこちらの方から遊びにきて頂けたら嬉しいです!

https://www.instagram.com/hanaetanazawa/

 

 

 

 

2018年

2月

24日

映画は料理だ

何作ろう。
何作ろう。

 

いつぞやアマゾンという某大手サービス会社に騙されて(?)、気がついたらプライム会員ということになっていた。お金を払った以上は元を取ってやろうという負けず嫌いの貧乏性で、最近やたらと映画を観ている。それまでは家では半年に1本観ればいいところだったけど、最近は多い時で週に5本・・・十分元は取れたもよう・・・。

 

 

毎日続けざまに映画を観ていて気がついたこと。それは、

 

 

 

「映画って、料理だ。」

 

 

 

料理長は、映画監督。

 

今までは俳優が圧倒的にすごいと思っていたけど(そして確かにすごいのだけど)、監督こそ、映画の真の味を決める人なのだと理解したらなんだかしっくりきた。

 

それは、うまいと思う映画を4本くらい観た後に、いまいちと思う作品を1本観たときの気付き・・・。この女優さん、別の映画ではもっといい演技してたのに、全然引き出されてないなって思って、そっか、俳優さんて実は鶏肉や人参のような「素材」なんだなって(すっごい失礼だけど・・・なれもしないくせにね)、その味を引き出すのが監督の力量なんだなって、そんな風に解釈したら、色々と辻褄が合うような気がしてきた。

 

 

例えば、

 

キャスティングは、仕入れ。

 

脚本は、レシピ。

 

カメラや機器は、調理器具。

 

美術は、器やテーブルセット。

 

照明は、うーん・・・火加減で、

 

演出は、調理補佐かな?

 

メーク・スタイリングは、仕込み。隠し味。

 

音楽は、スパイス。ドキドキさせたり、うっとりさせたり。

 

編集は、盛り付け。

 

映画館は、レストラン。

 

 

どうかな?

(・・・いやそこは違うとか、もっとこうじゃないとかいう方、ぜひどこかでワイワイ言い合いましょう!)

 

 

うまい料理長は、素材をなるべくそのままの味で自然に調理する場合もあれば、骨の髄までスカスカにして旨味を引き出す場合もあるけど、どちらにしても全ては最高の一皿のため。時々そこまでする?っていうくらい俳優を追い込んで、絞り込んでいる作品があるけど、あれは料理としては極上のブイヤベースなのかな。

 

 

 

新里哲太郎くん(通称テツ)という大学時代の同級生がいて、留学中に演劇を始め、日本に帰ってきてからもずっと下北沢ベースでお芝居を続けている数少ない不安定コースの同志(?笑)。でも最近では演出もやったりと、お芝居で立派に生活しているみたいだから、私なんかとは比べ物にならないご活躍よう!昨年末に久々に連絡を取る機会があり、「主演で芝居するから良かったら来て」と教えてくれたのが「蛇の亜種」っていう演目だった。

 

レビューが良かったからただ楽しみに行ったら、本当に素晴らしかった!テツの演技は以前よりもパワーアップしていて、というのは、むしろいい意味で力が抜けて、テツが抜けて、役が生きている・・・。

 

役者っていうのは一体どういう感覚なんだろう?あんなに身の全てを人前に投げ出せるというのは。ある意味非常識で、恥知らずの恐れ知らず・・・むしろ恐れに向かって行く好奇心の塊・・・。

 

「役者は素材だ」なんて乱暴な表現をしてしまったけど、テツを観ていたら、本当に調理されるがごとく少しずつ身体の部位を失っていくという難しい役柄。ヤクザな主人公マムシ(テツ)が「お嬢」なるヒロインを守るため、怪我をしたり身体を売ったりしながら逃亡するというストーリーで、まず片足を引きずるようになり、それから片腕を失い、片目を失い、もう片方の腕も最後には失ってしまう・・・。ストーリーはもとより、舞台装置、照明、他の演者さんから何から、本当に見事に構築されたお芝居で、私は最初から最後まですっかり魅せられてしまった。それにしても、本来は動く体が動かないというつもりで動くってどんな感覚なんだろう?身体で表現する人の、その身の全てを提供する様は時に引いてしまうほど恐ろしくもあるけど、どこか、自意識から解放されている様がまた羨ましくもあったりする。

 

 

新里哲太郎くん、ぜひチェックしてください!

 

 

 

・・・さて、そんな偉大な調理現場のどこにも参加できない口だけの私は、観るだけ観てモグモグし、心の中で勝手な食レポをつぶやいている・・・。

 

 

 

全てを出し切った後のテツの笑顔は清々しかった!(私の顔は割愛笑)
全てを出し切った後のテツの笑顔は清々しかった!(私の顔は割愛笑)

 

新里哲太郎オフィシャルサイト:

https://tetsutaro-producetheatre.themedia.jp

 

Twitter: https://twitter.com/ajtetsu

 

インタビュー記事発見!:)

http://illuminus-creative.net/magazine/?p=6205

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうそう、やっぱりカレーになりました。・・・そりゃそうだ!
そうそう、やっぱりカレーになりました。・・・そりゃそうだ!

2018年

2月

04日

「サボテンの鉢を大きくするか問題」

My Little Cactus Pastels 2018 ©︎ Hanae Tanazawa
My Little Cactus Pastels 2018 ©︎ Hanae Tanazawa

 

松の盆栽みたいな仕上がりになってしまったが(汗)、

我が家のサボテンをスケッチしたもの。

友人が今のところへの引越し祝いにとプレゼントしてくれたもので、

使ったパステルも別の友達からのプレゼント・・・感謝感謝・・・。

 

このサボテン、小洒落た小さな鉢植えに収まったフォルムがなんとも可愛らしく、

月に一回くらいの水やりで生存してくれるありがたさに加えて

すご〜くゆっくり、瑞々しい新葉を形成し、

その発見とフォルムの変化する美しさを、

日々見つめながら小さく喜んだりしている。

 

 

先日、同じ種類のサボテンが近所の家の軒先に、大きなプランターに植えられているのを発見。

ちゃんと観察しなければ分からないくらい別物に見えたそのサボテンは、正直言って

大きくなりすぎてむしろグロテスクであった。

 

立ち止まって観察しながら、初めて 

「サボテンの鉢を大きくするか問題」

というのがこの世にあること(というか私の中に生じたこと)に気づく。

 

私のサボテンは、本当はもっともっと大きく成長したいのではないだろうか。

私は彼(もしくは彼女)のポテンシャルを狭めているだろうのか。

「あなたはそのままの大きさで十分素敵なんだよ」と念じて忍ぶべきだろうか、

それとも鉢を大きくし、好みでないグロテスクな成長に導くべきであろうか・・・。

 

そしてまた歩き出しながら

盆栽の成り立ちとか、

かつて問題になった中国の纏足(てんそく)少女らのことだとか、

金魚鉢の金魚にまで想いを馳せ、

 

自分自身の鉢植えはどのサイズが適切なのだろうかとか

そんなことにまで考えが及んで、

まだまだ答えが出せないでいる。

 

 

我が家のサボテン
我が家のサボテン

・・・でもちょっと私自身の鉢を大きくするために・・・

Instagram始めました。

 

チェックしてください! 

Hanae's Instagram

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2018年

1月

21日

実は、子どもがいます

保育園の頃(?)の絵 私もやっぱりピンクが好きだったんだなぁ・・・
保育園の頃(?)の絵 私もやっぱりピンクが好きだったんだなぁ・・・

というのはもちろん冗談ですが(笑)、ネパールに、昨年より支援を始めた女の子がいます。今、14歳。もうすぐ今年度分の支援の締め切りがあるので、明日にでも郵便局に行かなきゃと思いながら書いています。私の友人も知るところで2人、支援を始めてくれました(ありがとう!)月1000円プラス運営費の、年間16000円で一人の子どもの学費支援ができます。これから支援したいという方は、ぜひ日本・ネパール文化交流倶楽部のサイトにてお問い合わせください。よろしくお願いします・・・!

 

元々は仙台に住む友人・涼子からの繋がりで始めた活動なのですが、なんと昨年彼女に劇的な展開があり、あまりにもややこしいので説明し難く遅くなってしまったのですが、とにかく昨年のうちに彼女は電撃結婚を果たし、日本・ネパール文化交流倶楽部を後任に引き継ぎ、今は主にキリバスという小さな南の国のために働いています。なぜキリバスかというと、日本人でありながらキリバス人に帰化したケンタロ・オノ氏というキリバス共和国の名誉領事の方と結婚したからです(Wow)!

 

まぁ昨年はそんなこんなで驚くばかりの近況を聞かされたのですが、昨年秋頃(?)新宿で講演があるというのでまだ入籍前のお二人にお会いし、とてもお似合いで幸せそうな涼子の姿に嬉しくなりました。今はご主人について日本各地を周っているみたいで、今までとは違うけれど、今までの支援活動の経験を大いに発揮して活躍しています。詳しくは涼子のブログもチェックしてみて下さいね。

 

オノ氏の講演では、キリバスという海抜2m程度の小さな島国が、温暖化により現在進行形で消滅の危機に瀕している現状をとてもわかりやすくお話され、一人でも多くの方にその状況を知っていただきたいという熱い想いもまたひしひしと伝わってきました。印象的だったのが、「もしキリバスが沈めば、次にこの問題に直面するのは同じ島国である日本であり、それが起きないためにも、最前線にあるキリバスにおいてこの問題を食い止めるべきだ」とのご発言でした。人ごとだと思って後々まで放置すれば、問題解決はもっと難しくなる、ということだと思います。私も知らないことがたくさんありましたが、真っ青な海と空に囲まれ、人々がとても平和的で温かいというキリバスに、私も(こんなご縁ができたことだし!)いつか行きたいなぁと思ったのと同時に、そのために自分なりにできることを考えないといけないなという気持ちになりました。ささやかではありますが、支援の一環としてオノ氏が執筆されたキリバスの書籍を購入させていただきました。

 

そして、来たる2月3日(土)にオノ氏が新横浜の方で講演をされるということで、涼子から連絡が入りました。あいにく私は都合のつかない日だったのですが :( ぜひご興味を持たれた方は、足を運んでみてください。写真や資料を使い、時にユーモアも交え、わかりやすくお話してくださいます。それと新宿の時はなかったのですが、キリバスの音楽を紹介するライブもあるみたいです!どんな音楽なんでしょう??ぜひお誘い合わせの上、お申し込み下さいね!

 

追記:フェイスブックのイベントページもあるということなので要チェック!

 

UPDATES

 

3.26 絵本の動画アップしました。

Posted a demo-reading of my picture book on YouTube!

 

2.4 Instagram始めました!Started Instagram!